家庭教師シニア本部 スタッフからのメッセージ

歴史から生まれた言葉たち Vol.6「冬来たりなば春遠からじ」

(カテゴリ:専任・S村

閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。

今回も、歴史の中から生まれた言葉をご紹介します。

 

今回ご紹介する言葉は「冬来たりなば春遠からじ(ふゆきたりなばはるとおからじ)」

意味は「厳しくつらい時期を乗り越えれば、幸福が訪れる」です。

なかなか使う場面はないでしょうが、覚えておいて損はない、元気の出る言葉です。

 

さて、この「冬来たりなば春遠からじ」という言葉は、一見すると、日本の古文や漢文が由来かな? と思われるのですが、実はイギリスの詩人がつくった詩の一節が元となっています。

その人の名は、パーシー・ビッシュ・シェリー

ここでは、シェリーと呼ぶことにしましょう。

 

シェリーの生涯はかなり波乱万丈なものでした。

そのような人生の中でも、彼は様々なテーマを取り上げ、詩を作っています。

ある時は、かなりロマンティックな恋の詩を。

またある時は、政治を痛烈に批判した詩を。

そしてあるときは、ダイナミックに自然を描いた詩を。

 

その気難しい性格や悪化した対人関係が相まって、生前は評価されなかったシェリー。

しかし、彼の死後、作品は徐々に人々に受け入れられ、今では、当時のイギリスにおける偉大な詩人の一人として、数えられています。

 

シェリーの紹介が終わったところで、話を「冬来たりなば春遠からじ」に戻しましょう。

 

この言葉は、彼の詩の一編「西風に寄せる歌」の結びの言葉が訳されたものです。

この詩は5部の構成になっており、3部までは吹きすさぶ西風の強さを描写していますが、4、5部ではそこに自分の理想とする姿を重ね合わせ、読み手が作者になったかのように思わせる表現がなされています。

そして、5部の最後には、こう記されています。

 

If Winter comes, can Spring be far behind ?

 

この言葉を訳したものとして、「冬来たりなば春遠からじ」という言葉が生まれました。

(ただし、いつ、誰がこう訳したのかは不明です…)

皆さんなら、どう訳すでしょう?

 

 

さて、学習の話。

 

前回の模試よりも、一点でも多く点数を上げるためには、知識を仕入れたり、演習を重ねたりと、かなりの努力が必要ですよね?

 

時には、漠然とした不安を抱えることもあったり、勉強することがつらくなったりすることもあると思います。

 

だからこそ、テストや模試で結果を残せたときには、自分を褒めてあげてください。

 

「あのつらい気持ちを、乗り越えられたね」

「頑張って本当によかったね」

「結果がついてきたね、次も頑張ろうね」

 

自分で自分を励ますことは、自己肯定感につながり、次の目標に向かう皆さんにとっての大きなモチベーションになるでしょう。

 

そして受験当日には、積み上げてきた励ましは自信となり、皆さんの力を十分に発揮できる原動力になります。

 

 

「冬来たりなば春遠からじ」

――冬が来たならば、春の遠いことがあるだろうか。

 

今が不安に駆られ、勉強がつらい「冬」の時期であるならば。

少しの成果でも自分を励ますことで、そう遠くない「春」が来るのです。

 

一歩一歩、歩みを進めてください。

 

 

 

 

すべての勉強する皆さんに、幸多からんことを!

 

 

 

札幌 家庭教師シニア 専任講師 S村