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解説を読んだらわかるけど、そんなの自分では思いつかないゾ!という数弱の皆さんへ

解説を読んだらわかるけど、そんなの自分では思いつかないゾ!という数弱の皆さんへ
数学のセンスがなくても北大医学部合格
基本的な解法を暗記→演習量を積む→使うべき解法を選択する能力を上げる

渋谷教育学園幕張中高卒 北海道大学医学部医学科2年 S講師
渋谷教育学園幕張中高卒 北海道大学医学部医学科2年 S講師
著者
渋谷教育学園幕張中高出身の北大医学部医学科のS講師(R7年1月現在)。
爽やかな優しい雰囲気の講師で、現在、札幌駅北口のクラスシニアで高校生2名と中学生1名の指導を担当しています(代行で中学受験生の指導も担当)。
数学の他、化学、英語の指導にも自信があります(英検1級保持)。
内容
数学のセンスがないことを自認しつつ、いかにして得点できるようになったかが分かりやすく述べられています。そして、高校2年生の終わりから受験までの具体的な数学の勉強方法が非常に丁寧に説明されています。数学のセンスがない、発想力がないと思っている生徒の方にはとても参考になると思います。

はじめに

こんにちは!北大医学部医学科2年のSです。塾や予備校に通わず、現役で北大医学部に合格しました。前回、化学の勉強法を執筆させていただきましたが、今回は私なりの数学の勉強法をお話ししたいと思います。少しでも皆さんの参考になればと思います。

解説を読んだらわかるけど、そんなの自分では思いつかないゾ!という数弱の皆さんへ

この文章はこのタイトルに該当する生徒さんに向けて書いています。なぜなら筆者がこのタイプの数弱だったからです。そんな筆者でも後述する方法で、自力で(私は塾を利用しませんでした)志望校合格できるくらいまでは持っていくことができたので、脳筋になれる人はぜひ参考にしてみてください。大学受験は「先に対策した者勝ち」です。脳筋にはなれないと思っている人も、恥ずかしがっている暇はありません。なりふり構わず、全力でやってみませんか?

タイトルに該当しない数弱は地道な復習をしよう

右も左もわからない数弱の方は、学年問わず、学校で配られた問題集に地道に取り組むことをお勧めします。また、『とある男が授業してみた』、というユーチューバーの方の動画で手っ取り早く復習をすることもお勧めです。筆者も数IIIの複素数で右も左もわからなくなってしまい、お世話になりました。背伸びしてもいいことはありません。まずは基礎から理解の穴を埋めて、解ける問題を確実に解く力をつけましょう。

タイトルに該当する数弱は脳筋になろう

タイトルに該当する数弱の方、お待たせしました。解説を読んだら意味はわかるけど、どうしてこんな解法を思いつくの…?(思いつくわけないじゃん無理ゲーでしょ!!)そう思う(怒りに狂い無力感に打ちひしがれる)こと、ありますよね。悲しい哉、そういう解法をその場で思いつくことができるのは、センスのある人だけです。そんな中、幸運にも自分には数学のセンスがないと認めることができた我々にできることはそう、脳筋になることです。

では脳筋になるとは具体的にどういうことか。答えは、基本的な解法を丸暗記し、演習量を積むことによって使うべき解法を選択する能力を上げるということです。筆者が実際にやった、そして読者の皆さんにおすすめしたい方法を以下に述べます。

  1. ① 網羅系問題集を何周もする
  2. ② 実践系問題集を通じて苦手分野を洗い出す
  3. ③ 網羅系問題集で復習する

一対一対応の数学

ここでいう網羅系問題集とは各分野について解法やポイントなどがまとめてある問題集のことで、実践系問題集とは問題編と解説編が別になっているような、演習をメインとするものを指します。

世間的には網羅系問題集として青チャートを、実践系問題集としてプラチカなどを使うことが難関大志望者の「セオリー」となっているようですが、私は網羅系問題集として「一対一対応の数学」を、実践系問題(集)として「志望校以外の大学の過去問」を使いました。

どんな問題集を使うかについての記事はネットにいくらでもあることに加え、効率よく正しい努力をすれば使う問題集に依らず「基本的な解法の丸暗記」と「適切な解法を選択する能力をつける」ことは達成できると思うので、ここでは実際に私がとった方法を一例として紹介したいと思います。

1. 高2の12月〜高3の9月まで

網羅系問題集である一対一対応の数学を使って解法暗記に時間を割きました。全問解くのを3周、間違えた問題を解くのを2周(以上)しました。

実はこの段階を高3の7月半ばまでに終わらせて、夏休み中に実践系問題集を使う予定だったのですが、思ったように進まず、その時点でまだ解法の定着に不安があったので網羅系問題集を使う期間を延長しました。

趣旨とはずれますが、現役生は時間も限られており、計画通り勉強が進まずに焦ることがあると思います。そんな時は何が一番重要なのか(例えばこの時点で私にとっては難しい問題に触れることではなく、解法暗記が最重要事項でした。)を再考し、時には「やらない」という選択をする勇気を持ってください。

2. 高3の10月〜11月まで

もちろん予定通りプラチカなどの実践系問題集を解くことも考えたのですが、問題集を解き終わらないという心理的ダメージ、また過去問演習に十分な時間を割くことができないことを懸念し、新しい問題集に手をつけるのは諦めました。

そこで私は実践として「志望校以外の大学の過去問」を解くことにしました。このメリットは、問題が際限なくあるため(逆に)解ききれないことを心配する必要がないこと、また早い段階で過去問に触れているという安心感があることです。

下は11月のとある2週間の様子です。この時期に数学以外の過去問にも触れ、1週間後に解き直し、繰り返し解けなかった問題は、解き方を何通りか分析して書き出していました。この解き直し方法は志望校の過去問演習や模試期間でも同様に続けました。

11月のとある2週間の様子

11月のとある2週間の様子

過去問演習を通じて再度苦手だと思った分野に関しては再度一対一対応の数学に戻ってしつこく復習しました。

3. 12月〜共通テスト前まで

問題集

この時期は共通テスト対策に時間を割き、また量は減らしたものの、1週間に一年分程度は二次試験型の過去問演習を継続しました。また数IIIの微積の計算が苦手だったので右の問題集を登校前に解いていました。

4. 共通テスト後〜1月末まで

共通テストの結果が良かったことと、私大を受験しなかったことで1月中はだらけてしまいました。過去問演習はあまりせず、学校で配られた問題集を使って苦手分野の初見問題の演習を積んでいました。

5. 2月〜二次試験まで

2月に入ってやっと火がつき、志望校の過去問演習に入りました。国立大学の問題は学校による差があまりないので、10月〜共通テストまでの他大の過去問演習のおかげでこの時期から志望校の過去問演習を始めても、特に苦にはなりませんでした。数学は東進の過去問データベースで1995年まで遡りました。意味があったかはわかりませんが、演習量は安心感に繋がりました。


長くなりましたが私が一番伝えたいことは、自分に必要なことを見極めて正しい努力をしよう、ということです。ここで挙げた方法が万人に有効だとは思いません。相談できる人を見つけ、適宜軌道修正しながら、自分に必要な努力していきましょう。

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