偏差値33からの大逆転
(高2の3月に中学の復習)
- 著者
- 北海道大学歯学部のU講師。渋谷教育学園幕張高校出身。高校では落ちこぼれでしたが、歯学部での成績は常にトップを維持し、とても頑張り屋さんのシニアの女性講師です。
- 内容
- これだけ遅くからの勉強で、北大に現役合格した話を聞いたことがありません。中学の復習からスタートした大学受験への取り組みが、詳細に述べられています。目標を諦めかけている生徒、もうダメだと思っている生徒には、とても参考になります。
はじめに
こんにちは。北大歯学部4年のUです。今これを読んでくれているみなさんの中には、なかなか勉強のモチベーションが保てなかったり、成績が上がらず辛いなと思っていたりする人もいると思います。私も中学生、高校生のときは本当に勉強ができず受験が大変だったので、そういう人たちがこれを読んで、少しでもこれからの勉強を頑張ろうと思ってもらえたら嬉しいなと思います。
では、私がどのような高校生活を送りどのようにして北大に合格したのかを話したいと思います。
1. 勉強を始めることになったきっかけや時期
受験勉強を始めたのは高3に上がる前の3月からです。これだけ聞くと「なんだ、普通の受験生と同じじゃないか」、人によっては「丸1年勉強にあてたなら北大なんて余裕じゃん」と思うかもしれません。確かに高1、高2とある程度まじめに勉強していれば1年という受験勉強の期間で十分なのかもしれません。しかし、私は受験勉強開始時の学力ベースが、ほぼ何もないところからのスタートだったので本当に苦労しました。
というのも私が通っていた高校はいわゆる進学校でしたが、私は7歳から地元のクラブで新体操をやっており、高校にはスポーツ推薦のような形で入学したため高校入試の勉強もろくにしておらず、また、合宿や試合などでかなり学校を休まなければならなかったので、大学受験をするのに必要な知識どころか、高校を無事に卒業するために必要な最低限の知識すらなかったからです。
新体操と勉強の両立を目指して入った学校でしたが、日々の練習がきつすぎて、正直、「高校でも新体操でそこそこの成績をとって、大学も推薦で入れればいいかな」と思ってしまっていました。
しかし高校では新体操の成績は今一つ伸びず、さらに体調不良も重なり競技を続けることができなくなりました。スポーツ推薦で入学しているので退学することも考えましたが、先生から「卒業だけはしなさい」と言われ、学校に残る決断をしました。これが高2の冬です。
とはいえ、それまで10年近く新体操しかしてこなかったのに普通の学校生活にすぐに適応できるわけもなく、2週間くらいは部屋に引きこもって1日中ぼーっとして過ごしていました。ただ、ふとこの先、どうやって生活していくのか考えたとき、ほんとうにびっくりするくらい頭に何も浮かばず、その時に、初めて「このままじゃやばいかも」と思うようになったのです。
やりたいことは特になかったけれど、「やりたいことができたときのために必要な最低限の勉強はしないと」と思い、そこから勉強することを決意しました。またこのとき目標があったほうが頑張れるかなと思い、旅行ついでに見に行ったことのある北大のキャンパスがとてもきれいだったことを思い出し、今考えると身の程知らずでしたが、北大に行こうと決めました。
2. どんなことから始めたか
初めは、何からどう勉強していけばいいのかもわからず、とりあえず自分が分かっている範囲まで戻ってやり直そうと思ったのですが、高3になる直前の段階だったのにも関わらず、高2の1学期の内容が分からないどころか、高1の3学期、2学期の範囲も分からず、「あー高1の最初からやり直すのかー」と思っていたら、なんと高1の1学期の内容も理解できず、結局中学の範囲までさかのぼることになりました。これにはさすがに自分でもびっくりというか正直引きました。とりあえずどんな進路でも必要になると思った英語と数学だけはどうにかしないと、と思い、恥を捨てて本屋に行き、「10日間で中学の総復習何とかドリル」みたいなのを買ってそれをやりました。
1通り中学の復習ができたと思ったころに新学期が始まり、そこで初めて学校でセンター試験形式のマーク模試を受けました。私は理系クラスにいたのですが、理科2科目数学2科目を足しても100点に届かず、たしか合計でも900点満点中400点くらいだったと思います。このときの順位が、9クラスおよそ360人中350番くらいで、「これは何年かかってもどこの大学にも入れないんじゃないか」と思いました。
でも、これがきっかけで、自分が1年後の大学入試で戦っていくためには、他の人の何倍も努力しなければいけないと改めて実感し、その模試が終わってからはひたすら勉強するようになりました。
3. 勉強の仕方や時間について
基本は、学校で配られた問題集(数学は4STEP、理科はセミナーでした)をやって、間違えたところは何回も何回も解きなおしました。私は間違えた問題はその日のうちにもう1回解いて次の日にも解くようにしていました。
数学や物理などの公式は、「理解してから覚えないと意味がない」と言っている人も多いし、実際にその方がいいと思います。でも私には時間がないと分かっていたのでいちいちその公式にどんな背景があって、どういう風にできたのかなんて理解していませんでした。理解するのに時間をかけるよりも、とりあえず覚えてしまって何回も使っているうちに自然と理解していく方が早いかなと思ったからです。なので、あまりおすすめはしませんが、私はどの科目もとりあえず暗記から入って、後から理解するという感じの勉強をしていたと思います。
あと、英語は必ず音読するようにしていました。どこに文の区切れが来るのか常に考えて読むようにしたら、かなり長文を読むスピードが上がった気がします。
この時期は朝1時間勉強して、学校の授業を受けて終わってからは放課後7時くらいまで勉強して、家に帰って12時頃まで勉強していたと思います。
分からないところは、ある程度自分で考えたらさっさと先生や友達に考え方を教えてもらっていました。難しくて思考力が試されるような問題を解いていたわけではないので、わからない問題にいつまでも時間をかけるのは無駄だと思ったからです。一般入試で入った同級生たちは夏までは部活があったので、それまでに少しでも差を縮めようと思って勉強していました。
夏休みに入るころになると今まで分からなかったところが少しずつ分かるようになってきて、また、初めの知識がなかった分やればやるほどどんどん成績も上がってきて、勉強がそこまで嫌だと思わなくなりました。夏休みいっぱいはずっと学校でもらった問題集をやり、最終日に北大の過去問を初めて解いてみたのですが、数学は大問1の(1)しか解けず、まあこんなもんかと思いながらそっと赤本を閉じました(笑)
夏休み明けには再びマーク模試があり、そこでは900点中550点くらいまでとれるようになりましたが、勉強が進んでいる周りの友達はどんどん応用的な問題に進んでおり、自分はこのままで良いのか不安になることも多々ありました。でも自分は自分、と思ってコツコツ基礎的な問題を解いていました。
今思うと、人に流されずに自分のペースを崩さず勉強し続けられたのがよかったのかなと思います。
4. 入試本番では
そんな感じで冬まで勉強して、センター試験本番では900点中700点弱で最後まで判定はEでしたが、総合理系を受けました。
結局前期は不合格で、後期は科目数が少なかった歯学部を受けました。後期は倍率が高く、前期で他大の医学部を受けたような人たちも受けに来ると聞いていたので、ダメ元で面接の練習もせずに受けたのですが、そうしたら奇跡的に合格していて自分でもびっくりしました。前期試験に落ちてから、「あーもう1年勉強か」と思っていたのに、まさか後期で北大に入れるとは思っていなかったのでほんとうに嬉しかったです。出願のときは、科目数が少ないという理由だけで歯学部を選びましたが、今はその選択に満足しています。
5. 最後に
これで私の受験勉強の話は終わりです。ここまで聞くと勉強を始めてからは順風満帆に進んだように思えるかもしれませんが、実際は途中で疲れてしまったり、やる気が出なかったり、なかなかうまくいかないこともたくさんありました。2学期にあった校内実力テストで「偏差値33」を、しかも受験に使う科目で叩き出してしまったときはさすがに心折れそうになりました。
ただ、そんな中でも1年間頑張り続けてこられたのは勉強を始めたころの、「このまま何もできない人間になってしまったら本当にやばいんじゃないか」、というその気持ちだけでした。正直絶対に歯科医師になりたいなんていう気持ちより、自分がこのまま何もできない人間になってしまうことへの焦りや恐怖心の方が勉強に対するモチベーションを維持していく上では大切でした(私にとっては)。
もちろん世の中勉強だけが全てではないし、学校なんて通っていなくても素晴らしい、素敵な人間はたくさんいます。でもそういう人たちは、自分にとって勉強よりも大切な何かがあって、それに向かって一生懸命に生きている人たちです。
これを読んでいるあなたが、今何となく「勉強に飽きてしまったな、疲れたな、やる気が出ないな」、と思っているならば、どんな気持ちで受験勉強を始めたのかもう一度思い出してみてください。そして、ここで勉強をやめたときどんな未来が待っているのかも想像してみてください。勉強以外の武器で充実した生活を送っている自分が明確にイメージできるなら、勉強しなくてもいいかもしれません。ただ私のように今勉強をやめてしまったとき、その先の自分の将来がよく分からなくなるという人は、苦しくても今は勉強するべきだと思います。
また、部活などが忙しくて今まで勉強してこなかった人もいるかと思います。私もそうでしたが、正直受験勉強の方がスポーツなんかより、ずっと努力が結果につながりやすいと思います。やればやるほど知識は身につきます。スタート位置が後ろであるほど、ちゃんと勉強すれば伸びしろは大きいです(あたりまえですが)。
みなさん、自分を信じて頑張ってください。勉強での努力は裏切りませんよ!
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- O講師の
数学偏差値40台から
北海道大学医学部に合格した勉強法 - 数学では、何に重点をおいて学習すれば良いかが明確に語られており、数学の学習に不安のある生徒にとっては、とても役立つ内容だと思います。偏差値40台からでも十分挽回できます。
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- O講師の
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