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成績UPのヒント 物理を0から得意科目に

物理を0から得意科目に

札幌医科大学医学部医学科 H講師
札幌医科大学医学部医学科 H講師
著者
帯広市出身で、札幌医科大学医学部医学科のH講師。他の文系大学を卒業しています。
優しい雰囲気の講師で、シニアの本部教室では、高校生と浪人生の指導を担当しています(令和1年10月現在)。
内容
一般的に取っ付きにくい物理の学習において、大切にすべきこと、解き直しの重要性、オススメの問題集などが丁寧に述べられています。

はじめに

こんにちは、札幌医科大医学部に通っているHといいます。文系大学を卒業した後、再受験で入学しました。
入試では物理化学を選択しましたが、高校生の時には数学III・理科発展科目などは学んでおらず、再受験時には予備校に通いませんでしたので、これらは独学で身に着けたのですが、特に物理は、センター試験・二次試験ともに九割以上正解でき得点源にすることができました。
今回勉強法を掲載する機会を頂きましたので、自分の得意科目だった物理の勉強法についてお話します。

作図する

物理に苦手意識を持っている方は、他の理系科目より多い印象があります。その理由は、数学や化学と比べて、図を描かなければ解けない、または図を描かなければ解きにくいという点にあると思っています。
そこで、物理が苦手だという方は、問題を解く時に物体に働く力を作図するようにしましょう(波動分野では力があまり出てこないですが、物体の関係など問題の設定を図示しておきましょう)。
その時に注意することは次の通りです。

①ある力(たとえば重力)を作図したら、作用反作用の法則で、逆向きで同じ大きさの力(物体が地球を引っ張る力)があることを意識する

もう一つの力の存在を意識することは大切で、力の把握漏れや力線の書き忘れの防止になります。
たくさんの問題を解き、そのたびに何度も意識していれば、問題を解くために作図すべき力と作図の必要のない力を見分けることができるようになります。

②物体が斜面上にあるときは、斜面に平行・垂直な方向に力を分解して、分力も描く

斜面に平行な方向に物体が移動するのは、斜面に平行な分力によるものですし、斜面上にある物体に働く摩擦力は、斜面に垂直な方向に働く分力とつり合う抗力によるものですから、きちんと力を分解して作図しましょう。
以下の図は、僕が問題を解く時に描く図の例です。

  • 斜面上の物体に加わる力を作図斜面上の物体に加わる力を作図
  • 円運動している物体に加わる力を作図円運動している物体に加わる力を作図

問題を解く

ここまで完了したら、問題を解いていきましょう。
平行・垂直な方向に静止しているなら力のつり合いの問題ですし、運動しているなら加速度運動や運動方程式の問題だったりしますが、図のおかげでどの力を使って式を立てるのか、すごく分かりやすくなっているはずです。

復習・解き直し、メモ

問題を解き終えた後は、次のことに気を付けましょう。他の科目の勉強と共通するかと思います。

①解けなかった問題は、必ず復習・解き直しを行う

解けなかった問題は、解説を読んで理解した様な気分になっても、数日、数時間で忘れてしまうものです。僕は解けなかった問題に印をつけて、最低三回解き直しをしてきました。中には三回では足りず、五回、七回と解き直した問題もあります。一度目の解き直しが一番大事です。一度目を解いた後、できれば数時間後に、遅くとも二日以内には解き直すようにしたいところです。

②解説で不十分なところは書き込みを加える

解説を読んでもわからず、先生の説明を聞けばわかったというような経験をお持ちだと思います。解説には記述が不足していたり、省略されているところがたくさんあるので、書き込んだり付箋を張り付けたりなどして、自分に足りない知識や間違えた部分を確認できるようにしましょう。
以下の付箋は、僕が問題集に実際に張り付けたメモです。

  • 外力のした仕事の求め方をまとめたメモ外力のした仕事の求め方をまとめたメモ
  • 見かけの深さに関するメモ見かけの深さに関するメモ
  • エネルギー準位の関係を覚えやすくまとめたメモエネルギー準位の関係を覚えやすくまとめたメモ

オススメの問題集

最後におすすめの問題集を紹介します。

①マーク式総合問題集 物理

マーク式総合問題集 物理 問題の図・文字が大きく、余白が豊富にあり、解説が詳しく、満たしてほしい要素をすべて満たしています。難易度も適切で、学校の授業から素直につなげられます。センター試験用の問題集ですが、どの学年の方にもお勧めできますし、受験しない方、二次試験対策前の基礎確認にもお勧めできる問題集です。学校の授業のフォローとしては、網羅的でなく使いにくいかもしれません。

②名問の森

マーク式総合問題集 物理実際に使っていました。難易度の高い問題集ですが、解説が群を抜いて詳しく、図・別解も豊富です。問題文・図が大きく見やすいところや、口語調の説明も好きでした。旧帝大や医学部を受験する方にぴったりです。

最後に

私のように、ゼロから独学でも、物理は得意科目にできます。
これを読んで、物理の勉強に悩んでいる方に、少しでも参考になれば幸いです。
諦めなければきっと合格できます!

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