(カテゴリ:専任・S村 )
閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。
今回も、歴史の中から生まれた言葉をご紹介します。
本日の言葉は「急がば回れ」
意味は「急いでいるときこそ、着実な方法を取るべきだ」というもの。
かなり有名なことわざでしょう。
「急がば回れ」の語源と琵琶湖の歌
よく耳にする「急がば回れ」という言葉。語源は、室町時代にさかのぼります。
この時代に、宗長(そうちょう)という歌人がいました。
彼が書いた、「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」という歌が縮まり、「急がば回れ」のみが今に伝わっています。
「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」という歌は、日本最大の湖、琵琶湖を渡って京の都に行く武士のことを詠んだ歌になります。
歌の中に出てくる「矢橋の渡し」は現在の草津市と大津市の港を結ぶ交易ルートです。
また「瀬田の長橋」は、大津市にある日本三大名橋の一つ、瀬田橋のことを指しています。
さて、琵琶湖には「比叡おろし」という山から湖に向かって吹く風があります。
湖を渡る船は、この風にあおられることが多々あったようでした。
以上を踏まえて訳してみると…
「武士が京都に行くときに、矢橋から出ている船を使えば早いのだけれども、比叡山からは『比叡おろし』という強風が船を直撃してあぶない。遠回りになるが、急いでいるならむしろ瀬田の長橋を渡った方が安全だ」
となります。
過度な焦りは、今は禁物
さて、学習の話。
今時期は、大学の2次試験、高校入試などに向け、皆さんはある程度焦りをもって勉強していると思います。
ですが、焦り過ぎて、自分が本当にやるべき勉強を見失っていませんか?
受験を間近に控えて、焦りがない人はいないと思いますし、ある程度緊張や焦りをもって勉強に臨むことは、良い意味でプレッシャーになります。
一方で、「時間がないから、とにかく問題をひたすら解かなきゃ」「社会や国語の知識を詰め込まなきゃ」と焦りに任せ、勢いだけで勉強すると、かえって受験前に神経をすり減らし、知識や経験を十分に蓄えられないことにもつながってしまいます。
その状態で過去問や演習問題に取り組んでも、悪い結果しか出ません。
そのうち、何をやったらよいのかもわからなくなってしまうことでしょう。
そういうときこそ、「急がば回れ」の考え方をしましょう。
いったん、自分の勉強への向き合い方(例えば時間配分や、勉強している内容)などを見直して、本当に自分の弱点を無くすような勉強の仕方をしているのか、振り返ってみるのが重要です。
受験まで猛勉強をする際、立ち止まっていられないという気持ちは痛いほどわかります。
ですが、走り続ければ必ず苦しくなります。
適度に立ち止まりながら、自己の勉強を振り返り、目標を達成するために今の自分が本当にやるべきことは何なのかを見つめなおす。
大事な試験が迫ってきた今、「急がば回れ」の考え方を大切にしてほしいと思います。
札幌 家庭教師シニア 専任講師 S村