(カテゴリ:専任・S村 )
閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。
令和2年度の大学入試より、現在の大学入試センター試験(以下、「センター試験」)から大学入学共通テスト(以下、「共通テスト」)に変更となります。
既にテレビやネットなどで大きく報じられていますが、なんといっても記述問題が出題されることと、英語に民間業者の試験を導入することの2点が大きな変更点となります。
今回は、英語の試験がどのように変わるのか、どう評価され、合否に関係してくるのかをご紹介させていただこうと思います。
英語新試験の成り立ち
これまでのセンター試験は、英語は筆記試験とリスニング試験で構成されていました(大学によってはリスニングを受けなくても良いこともあります)。
大学入試センター(以下、「センター」)は、これからのグローバル社会に活躍する人材には、これらに加えて話す・書く力も必要と判断し、従来の「読む・聞く」能力だけでなく、受験生の「話す・書く」能力も見ようと考えました。
その一方、センターは、全国の受験生が同じ時刻に、同じ内容で記述やスピーキングを行うことや、受験生全員の採点を行うのは、現実的ではないという結論に至ります。
そこで彼らが注目したのが、英検をはじめとする民間の検定・試験。
これを使えば、年数回に分けて受験生の「読む・聞く・話す・書く」の4技能を知ることができる。
こうして、民間試験を利用した英語新試験の仕組みが作られていくことになります。詳しくは次の項で説明します。
新制度「大学入試英語成績提供システム」の仕組み
新聞・テレビ・ネット等で大きく話題になっているのが、「大学入試英語成績提供システム」です。
これは、センターが受験生の民間試験での得点を管理して、各大学に提供する仕組みのことです。
受験生の皆さんはセンターから個人を特定するための「共通ID」を取得し、最大2回まで民間試験に挑戦することができます。センター側は共通IDを通して、皆さんの得点を管理し、志望する大学に成績を提供することになります(当然、良い成績の方が提供されます)。
以下のリンクから、文部科学省が出している「大学入試英語成績提供システム」の概要やイメージ図などの情報を見ることができます。
「大学入試英語成績提供システム基本情報」(文部科学省ホームページより)→https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/en_info_1.html
注:共通テストに使える試験・検定のデータは、あくまで共通IDが発行されてからのものとなります。それ以前のものは使用できません。ご注意ください!
どの試験・検定を受ければいいの?
受験制度が変わり、民間の試験・検定を受ける以上、どれを受ければいいのか迷うところだと思います。
2019年10月16日時点で新試験に参加するのが決定している民間試験・検定は、
IELTS
GTEC
TEAP
英検
ケンブリッジ英語検定
TOEFL iBT
の6種類となっています。ただし、それぞれの試験・検定は入試用に改められているので注意してください。
各試験・検定の特徴を知りたい方は、下記のリンクからチェックしてみてください。
「資格・検定試験 関連情報」(英語4技能試験情報サイト(文部科学省運営)より)→http://4skills.jp/qualification/index.html
今のうちに、上の6つの試験にチャレンジしておくのもお勧めです。ただし検定料がかかるので、書店やネットなどで過去問などを買っておくというのもいいかもしれません。
まとめ
共通テストまであと一年と数か月。この間、令和3年度の受験生となる皆さんは、未知の世界で戦うことになります。
しかし、やるべきことは大きく変わらないものです。
淡々と、自分のペースで勉強をする。その鉄則は、これから先の受験勉強にも求められることでしょう。
追記
2019年11月1日に、文科省が民間試験の導入を延期するという発表を行いました。今後、民間試験を共通試験に使用するかどうかも含めた判断を、文科省などが検討したうえで下すということです。
受験生の皆さんは、今までと同じ通りに学習に励みつつ、メディア等の情報も逐一仕入れましょう。
㈱シニア 札幌家庭教師派遣センター 専任講師 S村