家庭教師シニア本部 スタッフからのメッセージ

歴史から生まれた言葉たち Vol.12「木に縁りて魚を求む」

(カテゴリ:専任・S村

閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。

今回も、歴史の中から生まれた言葉をご紹介します。

 

今回取り上げる言葉は、「木に縁りて魚を求む(きによりてうおをもとむ)」

意味は、「方法が間違っていると、目的を達成することができない」というもの。

あなたの勉強方法、それは、あなたに合っていますか?

 

「木に縁りて魚を求む」の語源

今から2000年以上前の中国・戦国時代。

沢山の国が乱立していたこの時代、大きな勢力を持った斉(せい)という国がありました。

第5代君主(国のトップのこと)、宣王(せんおう)は、武力をもって中国を統一しようとしていました。

 

そんなとき、孟子(もうし)という思想家がやってきてこう言いました。

「あなたは戦争を起こし、家臣を危険にさらし、各国の君主に恨まれても大丈夫ですか?」

宣王は「そんなことはない」と答えます。それを聞いて、孟子は「では、あなたの野望を聞かせてください」と尋ねました。しかし、宣王は笑って答えようとしません。

「じゃあ、なにか豪華な暮らしをしたり、偉そうにしたりするのが目標なのですか?」と孟子が再び尋ねると、宣王はこれを否定します。

すると孟子は、「あなた様の野望はわかっています。国の領土を広げていくことなのですよね? しかし、これまでのように武力で領土を広げようとすることは、木に登って魚を得ようとするようなものです」ときっぱりと言いました。

それを聞いて王は驚き、「それほど難しいことなのか」と尋ねました。

孟子は、「難しいというよりは、ひどいことになると言った方が正確かもしれません。木に登って魚は取れませんし、悪いことは起こりませんね? しかし、戦いで野望を叶えようとするやり方では、どれほど戦ったり作戦を練ったりしたとしても、人は死に、食べ物はなくなり、ひどいことばかりが起きるものです」と言ったのでした。

このあと孟子は、領民のためとなる政治――仁政(じんせい)を行い、他の国を奪って国を豊かにするやり方ではなく、自分の国を豊かにする方法を取るべきだ、と言います。

このエピソードに出てきた、「木に登って魚を求める」という部分が、「木に縁りて魚を求む」ということわざとして残ったのですね!

 

勉強の取り組み方を見直してみよう

さて、今日のテーマは「勉強の取り組み」について。

目的をもって勉強をする。その大切さは、わかっているのではないかと思います。

問題は、自分が今勉強をしているその取り組みです。

これが目的からずれてしまっていると、いくら目的が具体的であったとしても、達成できないこととなります。

 

例えば、英語の長文読解が苦手と言う人がいたとしましょう。

目的を「長文読解ができるようになる」と定めたとします。

そして、その人は目的達成の取り組みとして、毎日長文を読むこととしました。

しかし、なかなか点数が伸びません。これでは、目的不達成となってしまいます。

 

では、目的達成の取り組みとして必要なのは何か。

それは、弱点の把握です。

 

弱点把握が目標達成への第一歩

各教科、皆さんなりの弱点というものがあると思います。

計算であったり、記述問題、文章問題であったり…。

その弱点を把握することが、目標に沿った取り組みを行うことにつながります。

 

先ほどの英語の長文読解を例にしてみましょう。

ただやみくもに長文だけをやっていては、それこそ「木に縁りて魚を求む」状態です。

文法が弱点なのか、単語力不足なのか、記述問題が弱いのか…などなど、自分の弱点を見つけ、それを克服するように目標を設定し、そしてその弱点を無くす取り組みを行えば、大きな変化ではなくとも、少しずつ点数が伸ばせるようになります。

 

まとめ

こまめに自分の弱点を見つめなおし、その克服のための取り組みをする。

それができれば、「木に縁りて魚を求む」ことは防げるのではないかと思います。

 

合わせて読みたい①……The故事成語 Vol.2「画餅」:「目標を見直す」のは大事という話

合わせて読みたい②……家庭教師シニアの5つの強み:家庭教師シニアの学習目標や取り組みのサポート紹介など

 

 

春は、気持ちを一新して勉強を始めるのに向いている季節です

この機会に、自分を見つめなおすのもいいかもしれませんよ!

 

 

 

㈱シニア 札幌家庭教師派遣センター 専任講師 S村