(カテゴリ:専任・S村 )
閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。
今回も、歴史の中から生まれた言葉をご紹介します。
今回取り上げる言葉は、「木に縁りて魚を求む(きによりてうおをもとむ)」
意味は、「方法が間違っていると、目的を達成することができない」というもの。
あなたの勉強方法、それは、あなたに合っていますか?
「木に縁りて魚を求む」の語源
今から2000年以上前の中国・戦国時代。
沢山の国が乱立していたこの時代、大きな勢力を持った斉(せい)という国がありました。
第5代君主(国のトップのこと)、宣王(せんおう)は、武力をもって中国を統一しようとしていました。
そんなとき、孟子(もうし)という思想家がやってきてこう言いました。
「あなたは戦争を起こし、家臣を危険にさらし、各国の君主に恨まれても大丈夫ですか?」
宣王は「そんなことはない」と答えます。それを聞いて、孟子は「では、あなたの野望を聞かせてください」と尋ねました。しかし、宣王は笑って答えようとしません。
「じゃあ、なにか豪華な暮らしをしたり、偉そうにしたりするのが目標なのですか?」と孟子が再び尋ねると、宣王はこれを否定します。
すると孟子は、「あなた様の野望はわかっています。国の領土を広げていくことなのですよね? しかし、これまでのように武力で領土を広げようとすることは、木に登って魚を得ようとするようなものです」ときっぱりと言いました。
それを聞いて王は驚き、「それほど難しいことなのか」と尋ねました。
孟子は、「難しいというよりは、ひどいことになると言った方が正確かもしれません。木に登って魚は取れませんし、悪いことは起こりませんね? しかし、戦いで野望を叶えようとするやり方では、どれほど戦ったり作戦を練ったりしたとしても、人は死に、食べ物はなくなり、ひどいことばかりが起きるものです」と言ったのでした。
このあと孟子は、領民のためとなる政治――仁政(じんせい)を行い、他の国を奪って国を豊かにするやり方ではなく、自分の国を豊かにする方法を取るべきだ、と言います。
このエピソードに出てきた、「木に登って魚を求める」という部分が、「木に縁りて魚を求む」ということわざとして残ったのですね!
勉強の取り組み方を見直してみよう
さて、今日のテーマは「勉強の取り組み」について。
目的をもって勉強をする。その大切さは、わかっているのではないかと思います。
問題は、自分が今勉強をしているその取り組みです。
これが目的からずれてしまっていると、いくら目的が具体的であったとしても、達成できないこととなります。
例えば、英語の長文読解が苦手と言う人がいたとしましょう。
目的を「長文読解ができるようになる」と定めたとします。
そして、その人は目的達成の取り組みとして、毎日長文を読むこととしました。
しかし、なかなか点数が伸びません。これでは、目的不達成となってしまいます。
では、目的達成の取り組みとして必要なのは何か。
それは、弱点の把握です。
弱点把握が目標達成への第一歩
各教科、皆さんなりの弱点というものがあると思います。
計算であったり、記述問題、文章問題であったり…。
その弱点を把握することが、目標に沿った取り組みを行うことにつながります。
先ほどの英語の長文読解を例にしてみましょう。
ただやみくもに長文だけをやっていては、それこそ「木に縁りて魚を求む」状態です。
文法が弱点なのか、単語力不足なのか、記述問題が弱いのか…などなど、自分の弱点を見つけ、それを克服するように目標を設定し、そしてその弱点を無くす取り組みを行えば、大きな変化ではなくとも、少しずつ点数が伸ばせるようになります。
まとめ
こまめに自分の弱点を見つめなおし、その克服のための取り組みをする。
それができれば、「木に縁りて魚を求む」ことは防げるのではないかと思います。
合わせて読みたい①……The故事成語 Vol.2「画餅」:「目標を見直す」のは大事という話
合わせて読みたい②……家庭教師シニアの5つの強み:家庭教師シニアの学習目標や取り組みのサポート紹介など
春は、気持ちを一新して勉強を始めるのに向いている季節です
この機会に、自分を見つめなおすのもいいかもしれませんよ!
㈱シニア 札幌家庭教師派遣センター 専任講師 S村