(カテゴリ:専任・S村 )
閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。
今回は故事成語より「竜頭蛇尾(りゅうとうだび)」についてお話させてもらおうと思います。
竜頭蛇尾の由来
かなり知名度の高い言葉ですね!
意味は「初めは勢いがあるが、最後はその勢いがなくなる」というものです。
昔々の中国。禅宗の陳尊者(ちんそんじゃ)というお坊さんが旅していると、別のお坊さん(この人も禅宗)に出会いました。
陳尊者がそのお坊さんに
「お前さんはどこから来たのか?」と聞くと、
「喝(かつ)!!」と大きな声で返されました。
禅宗ではお坊さんが互いに議論をします。
陳尊者は、相手がテンポよく大声で、しかも一言で返答したのに感心し、「いやいや、お前さんにはやられたわい」と言いました。
すると相手のお坊さんはまた大きな声で、「喝!!!」と言ったのです。
陳尊者、ここで「おや?」と思い、次のように考えました。
(ははん、こやつ、悟りを開いたように見せかけたようにしておるが、実は何もわかっておらんな?頭は竜のようにして強く見せかけておるが、尻尾を見れば蛇のように細いようなやつなのじゃろうて)
彼はお坊さんに問いかけます。
「お前さんはやたらに『喝!』『喝!』と言うがのう。3、4回も喝と言った後はどうするつもりなのじゃ?」
相手のお坊さんは、黙り込んでしまいました。
以上が、「竜頭蛇尾」の由来です。
目標とする自分と、今の自分
さて、学習の話。
初めは勢いよく、「頑張るぞ! 絶対試験で8割取ってやるぞ!」と息巻くけども、数日もしたらあの時のエネルギーはどこへ……ということ、ありませんか?
まさに「竜頭蛇尾」の状態ですね。
なぜこのような状態になるか。
それは、現時点の実力と目標がうまくかみ合っていないからです。
目標を高く持つは大事です。
ですが、それと現時点の実力がかけ離れてしまうと、「できないんじゃないか…」と考えてしまうんですね。
ビルの5階に、エレベーターもエスカレーターも、階段もないのにたどり着いてくださいと言われても、「そんなの無理だよ! できっこないじゃん!」と思うのではないでしょうか。それと同じことです。
では、「できない」を「できる」に変えるためには何が必要なのでしょうか?
先ほどのビルの例ならば、上るための道具、つまり階段が必要です。
階段があれば、一歩ずつ上ることができますね。
勉強も、「竜頭蛇尾」にならないで高い目標を達成するためには、小さい目標という名のステップを重ねていくことが大事になります。
例えば、「社会の模試で8割を取る」という目標を持ったなら、「歴史の流れを覚える」→「語句を覚える」→「覚えた語句を整理して覚える」→「テキストの演習問題で8割を超える」……といった小さいステップを踏んでいくと、目標を達成できるのです。
目標と実力のギャップが激しすぎると、モチベーションが下がることもあります。
決して「竜頭蛇尾」にならないよう、小さい目標を意識して勉強しましょうね!
皆さんが掲げた理想が現実なるように、心から願っています。
季節の変わり目です。体調を崩さないようにしましょう!
札幌 家庭教師シニア 専任講師 S村