(カテゴリ:専任・S村 )
閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。
今回は故事成語ではなく、歴史から生まれた言葉についてご紹介します。
今回ご紹介する言葉は「元の木阿弥(もとのもくあみ)」です。
なんだか聞いたことがあるようでないような…という人もいると思います。
意味は「いったんよくなったものが、再び元の状態に戻ること」です。
「彼はせっかく金持ちになったのに、お金を使いすぎて元の木阿弥になった」といったように使います。
元の木阿弥の語源
時は戦国。
大和国(やまとのくに、現在の奈良県)に、戦国大名の筒井順昭(つついじゅんしょう)がいました。
この国は戦国時代においてもトップクラスの激戦地。
大小さまざまな戦国大名が消えていく中で、順昭は、自分たちの勢力を安定させることに成功します。
しかし、「さあ、これからだ!」というときに、彼は亡くなってしまいます。
跡継ぎの息子、順慶(じゅんけい)もまだ子ども。
普通なら、この情報が敵に知られれば攻め滅ぼされてしまう危うい状況です。
ところが、実際はそうなりませんでした。
なぜか。
順昭は、亡くなる前に部下たちにとある指示を出していました。
「木阿弥という僧侶がいる。年齢・見た目・声のすべてが、私に似ている人物だ。順慶が成長して私の跡を正式に継ぐまで、木阿弥を私の影武者とするように」
部下たちはさっそく木阿弥を順昭の影武者として呼び、さも彼が生きているように見せたのです。
木阿弥にしてみれば、自分の生活環境が僧侶の暮らしからお殿様の暮らしに変わったわけです。
彼が影武者として順昭のふりをしている間、部下たちは必死になって、「領地は誰が守るか」「今後どのような政治をしていくか」などを話し合い、何とか今後ともうまくやっていけるような制度を整えました。
その後正式に、順昭が亡くなった事と順慶が跡を継ぐことが発表されました。
こうなると、木阿弥はもう順昭のふりをする必要はありません。
筒井さん家にいたってしょうがない。
彼はお坊さんに戻り、普段の暮らしに戻ったのでした。
「木阿弥」が、「元の」生活に戻る。だから、「元の木阿弥」なんですね。
上げた成績を落とさないために…
さて、学習の話。
せっかく成績が良くなったのに、しばらく勉強しなかったから「元の木阿弥」になってしまった…。
なんていうこと、ありませんか?
勉強において、継続するということは非常に大切です。
そして、継続して学習するためには
必ず勉強する時間を設けることと学習へのモチベーションをキープすることが大切です。
学習時間を「作る」
勉強時間についての考え方はこちらで紹介しておりますが、30分でも良いので学習時間を作る癖をつけてください。
「自分は、時間がないから勉強したくてもできない」という人がいますが、成績の高い人はどんなに時間がないと思っても、必ず学習する時間を作っています。
どんな状況下でも、学習はできます。だまされたと思って、勉強するための時間を作ってください!
モチベーションを保つには?
学習へのモチベーションは、高めることは意外と簡単です。
しかし、「やるぞ!」という気持ちを長く保つのは意識しなければできないものです。
モチベーションをキープするコツは、細かく目標を立てることに尽きます。
「受験に合格する」「内申点を上げる」という長期目標。
「次の模試で全体8割を取る」「次の期末テストで合計400点を取る」といった中期目標。
「学校の小テストで満点を狙う」「明日までに数学ワークをこのページまで終わらせる」などの短期目標。
自分ができる範囲での短期目標、中期目標を達成できるように頑張れば、「無理なこと」に挑んでいる感覚は薄れていきます。
成績を上げ、それを「元の木阿弥」にならずに安定させるためにも、皆さん、時間やモチベーションに気を配り、学習を継続させていきましょう!
札幌 家庭教師シニア 専任講師 S村