(カテゴリ:専任・S村 )
閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。
今回も、歴史の中から生まれた言葉をご紹介します。
今回ご紹介する言葉は「冬来たりなば春遠からじ(ふゆきたりなばはるとおからじ)」
意味は「厳しくつらい時期を乗り越えれば、幸福が訪れる」です。
なかなか使う場面はないでしょうが、覚えておいて損はない、元気の出る言葉です。
さて、この「冬来たりなば春遠からじ」という言葉は、一見すると、日本の古文や漢文が由来かな? と思われるのですが、実はイギリスの詩人がつくった詩の一節が元となっています。
その人の名は、パーシー・ビッシュ・シェリー。
ここでは、シェリーと呼ぶことにしましょう。
シェリーの生涯はかなり波乱万丈なものでした。
そのような人生の中でも、彼は様々なテーマを取り上げ、詩を作っています。
ある時は、かなりロマンティックな恋の詩を。
またある時は、政治を痛烈に批判した詩を。
そしてあるときは、ダイナミックに自然を描いた詩を。
その気難しい性格や悪化した対人関係が相まって、生前は評価されなかったシェリー。
しかし、彼の死後、作品は徐々に人々に受け入れられ、今では、当時のイギリスにおける偉大な詩人の一人として、数えられています。
シェリーの紹介が終わったところで、話を「冬来たりなば春遠からじ」に戻しましょう。
この言葉は、彼の詩の一編「西風に寄せる歌」の結びの言葉が訳されたものです。
この詩は5部の構成になっており、3部までは吹きすさぶ西風の強さを描写していますが、4、5部ではそこに自分の理想とする姿を重ね合わせ、読み手が作者になったかのように思わせる表現がなされています。
そして、5部の最後には、こう記されています。
“ If Winter comes, can Spring be far behind ? ”
この言葉を訳したものとして、「冬来たりなば春遠からじ」という言葉が生まれました。
(ただし、いつ、誰がこう訳したのかは不明です…)
皆さんなら、どう訳すでしょう?
さて、学習の話。
前回の模試よりも、一点でも多く点数を上げるためには、知識を仕入れたり、演習を重ねたりと、かなりの努力が必要ですよね?
時には、漠然とした不安を抱えることもあったり、勉強することがつらくなったりすることもあると思います。
だからこそ、テストや模試で結果を残せたときには、自分を褒めてあげてください。
「あのつらい気持ちを、乗り越えられたね」
「頑張って本当によかったね」
「結果がついてきたね、次も頑張ろうね」
自分で自分を励ますことは、自己肯定感につながり、次の目標に向かう皆さんにとっての大きなモチベーションになるでしょう。
そして受験当日には、積み上げてきた励ましは自信となり、皆さんの力を十分に発揮できる原動力になります。
「冬来たりなば春遠からじ」
――冬が来たならば、春の遠いことがあるだろうか。
今が不安に駆られ、勉強がつらい「冬」の時期であるならば。
少しの成果でも自分を励ますことで、そう遠くない「春」が来るのです。
一歩一歩、歩みを進めてください。
すべての勉強する皆さんに、幸多からんことを!
札幌 家庭教師シニア 専任講師 S村