新しい大学入試制度

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新しい大学入試制度の概要

これから大学を受験する皆さんは、自分の学びたいことを決め、それから学部、大学を選択し、各大学のホームページを見たり、オープンキャンパスに行ったりしながら情報を集め、いくつかの大学を受験されると思います。
ただ、大学入試改革のもと、2020年度(2020年9月〜2021年3月)以降の大学入試に関しては、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜に大きく分かれることになりました(入試という言葉も使用されなくなります)。

1国公立大学の場合(一般選抜)

2021年の国公立大学の一般選抜は、「思考力・判断力・表現力」重視の観点から、これまでのセンター試験に変わる「大学入学共通テスト」が導入されます。この「大学入学共通テスト」の得点と、それぞれの国公立大学によって実施される二次試験(個別試験)の得点によって大学の合否が判断されることになります。

※大学入学共通テストは従来の「知識偏重からの脱却」を意図しており、単なる知識ではなく活用力などの知識の質が問われるとともに、思考力・判断力・表現力が今まで以上に重視されることになります。

国公立大学の受験生は、1月中旬に実施される「大学入学共通テスト」を受験し、自己採点を行った上で自分の志望する大学に願書を提出することになります。

各大学の二次試験(個別試験)は、2月下旬から、前期・中期・後期の日程で行われます。

センター試験と大学入学共通テストの異同

「大学入学共通テスト」の試験日程は、これまでのセンター試験と同じ1月中旬の2日間に実施されます。
また、出題科目もセンター試験と同じ6教科30科目、出題形式も全てマーク式で、これらもセンター試験と同じです。
しかし、「思考力・判断力・表現力」重視の観点から、センター試験とは異なる形式の問題や素材が出題されることになります。
英語に関しては、センター試験では筆記とリスニングで、その配点は150点と50点でしたが、共通テストではリーディングとリスニングで、その配点は100点ずつとなっています。

  センター試験 大学入学共通テスト
試験日 1月中旬の2日間 同じ
出題教科科目 6教科30科目 同じ
出題形式 マークシート 同じ
出題内容 どちらかといえば知識重視 思考・判断・表現力重視の内容
英語の出題内容 筆記とリスニング リーディングとリスニング
英語の配点 筆記150点
リスニング50点
リーディング100点
リスニング100点

※共通テストでは、リーディングとリスニングが同じ配点となっていますが、各大学が成績を利用する際に配点比率を自由に決めることができ(センター試験と同じ4:1とか、あるいは共通テストと同じ1:1とか)、配点比率は各大学によって異なります。

※大学入学共通テストの2本柱とされていた「英語の民間試験導入」「国語・数学の記述式問題の導入」については、前者は地域格差・経済格差の問題、後者は採点者の質の問題などを理由に見送られています。

コメント

共通テストに向けてどのように勉強を進めていけばいいのか?
共通テストで問われる知識の活用、思考力、判断力は一言で言うと、応用的な見方・考え方と言えます。このような問題は従来のセンター試験でもある程度は出題されていました。
また、そこで問われているのは高校で学習する各教科の基本の積み重ね、あるいは基本の組み合わせにしか過ぎません。したがって、普段の学習の中で、各教科の基礎・基本、本質的な部分をきちんと理解し、論理的に考える練習をしておくことがより大切になります。 さらに、普段から、知識に頼りすぎない学習を心がけることも重要です。
なお、共通テストになっても、問題を作成するのは従来通り大学入試センターですので、センター過去問の重要性は変わりません。

2私立大学の場合(一般選抜)

私立大学の一般選抜の場合、文系学部では英語・国語・社会または数学の3教科、理系学部では英語・数学・理科の3教科での受験というのが一般的です。そして一人の受験生が複数の大学を受験するのも一般的です。
ただ、私大入試の場合、各大学・学部の特性に応じた入試方式を実施している場合が多く、入試科目によって傾斜配点を導入したり(英語の配点が高いなど)、あるいは学科試験を課さずに小論文・面接によって合否を決する方式など多様化しています。
したがって、自分で志望大学・学部の情報をなるべく早く入手して、それに向けての学習計画を立て、早めに学習を進めることが大切になります。

3私立大学の共通テスト利用(一般選抜)

従来のセンター試験は私立大学でも利用されており、私立大学全体の9割近くが利用していました。
各私立大学のセンター試験での指定科目は3教科以下の場合が多く、受験生は併願が可能でした。また、国公立大学を第一志望とする受験生も、私立大学の個別試験を受けることなく併願することができる仕組みになっていました。
2021年度からはセンター試験に変えて共通テストが導入されますが、センター試験の時と同様に多くの私立大学が利用する予定です。ただし、入試の多様化が進んでいる状況なので、やはり志望大学・学部の入試情報をなるべく早めに入手することが大切です。

4学校推薦型選抜と総合型選抜

学校推薦型選抜(旧推薦入試)

学校推薦型選抜は、多くの国公立大学・私立大学で実施されている選抜方式で、自分の通う高校の校長に推薦を受けて受験する受験方法です。これには、指定校制と公募制があり、指定校制は、その名の通り大学側が指定した高校の生徒にのみ出願資格があります。これに対して公募制は、校長の推薦さえもらえれば受験することができます。多くの国公立大学、私立大学で実施されており、高校の成績に加えて、小論文と面接が課せられるのが一般的です。近年は学力重視の傾向が強くなっています。 毎年、11月から実施されています。

総合型選抜(旧AO入試)

総合型選抜では校長の推薦は必要ではなく、個人的に応募することができます。基本的に学校推薦型選抜では高校時代の評価にウエイトが置かれるのに対し(学力重視)、総合型選抜では「大学が求める人物像」(アドミッション・ポリシー)が重視されます。そのため、選考の期間が長く、面接・面談の機会が多い傾向にあります。 毎年、9月から実施されています。

コメント

学校推薦型選抜、総合型選抜に関しても、やはり各大学によって違いがあるので、早めに情報を入手し、自分に向いているのかどうかも含めて、きちんと対策をしておくことが大切です。面接試験でも練習が必要ですし、小論文にしても、きちんとした対策が必要になります。
自分でしっかり調べて、早めの準備こそが合格への一番の近道と言えます。

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