(カテゴリ:専任・S村 )
閲覧ありがとうございます! 専任講師のS村です。
今回も、歴史の中から生まれた言葉をご紹介します。
今回取り上げる言葉は、「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」。
意味は、「目的を遂げるために長い間苦労や努力をすること」というもの。
勉強においてよく使われる言葉でもあります。
臥薪嘗胆の由来
今から2000年前以上の中国。時代は春秋時代でした。
当時の呉という国の王が、ライバル国の越の王が死んだと聞き、越に攻め込んでいきました。しかし逆に、越王の息子・句践(こうせん)に奇襲をかけられて負傷、その後に亡くなってしまいました。
亡くなる間際、呉王は息子の夫差(ふさ)に、「越への恨みを忘れてはならない」と言い残しました。
夫差は父の死後、毎日寝るときになると薪(火をおこすための木材)を床に敷き、その上に寝たといいます。
痛みにより、その復讐心を忘れないようにするためでした。
これが、「臥薪…薪の上に寝る」の由来。
一方、越の王子である句践は夫差が復讐しようとしていることを聞き、呉に攻め込んでいきます。
しかしこれに敗れてしまい、夫差の家臣とされてしまいます。
やがて夫差に許され帰国した句践は、毎日苦い動物の肝をなめました。
苦さにより、その復讐心を忘れないようにするためでした。
これが、「嘗胆…肝をなめる」の由来。
ちなみにこの戦い、三度目でようやく終わるのですが、その結末は皆さんの目で確かめてみてください。
こうした成り立ちを持つ臥薪嘗胆ですが、その由来が転じて、現在の意味になったそうです。
目的もない苦労や努力はモチベーション低下の原因
さて、勉強の話。
「とりあえず、勉強していれば何とかなる」と思いながら、日々の勉強をこなしている人、いませんか?
でもその考え、しばらく続けていると、勉強のやる気低下の原因となりかねません。
復讐心を忘れない、という思いで辛い思いをあえてした夫差と句践。
彼らはしっかりと、「呉に勝つ」「越に勝つ」という目標がありました。
だからこそ、彼らは苦しい思いに耐えることができた。
目標がないまま、努力だけを重ねるというのは、実は勉強において一番つらいことです。
しんどくなって、勉強自体が嫌いになって、やる気もなくなる。
そういう生徒さんを、私も多く見てきました。
今から大きな目標をもて、とは私も言いませんが、例えば「次のワーク提出、Aがもらえるように頑張ってみよう」、「次の小テストは8割取ろう」などといった小さな目標(スモールステップ)を立てて、そこに向かって勉強してみて下さい。
それが達成できたら、「定期テスト、5教科で400点以上になるように頑張ってみよう」といった目標を立てる。
だんだんとその目標を大きくしてみてください。
目標があるのとないのとでは、勉強の質やモチベーションの上がり方が全く違います。
是非、実践してみてください。
関連ブログ:①「The故事成語 Vol.3『竜頭蛇尾』」…大目標とスモールステップの話。
②「学習意欲の保ち方 その②」…モチベーションの向上と保ち方について。
ゴールデンウィークも終わり、いよいよ勉強本番の季節!
体調を崩さないように気を付けましょう!
㈱シニア 札幌家庭教師派遣センター 専任講師 S村