(カテゴリ:中学生家庭教師指導現場からのメッセージ )
みなさん、閲覧ありがとうございます! 教務部S村です。
前回、「入試へ⑧ 社会:歴史の勉強法・後編」というタイトルで、社会の公立入試についてアドバイスを行いました。
さて、今回は公民。
キーワードは「教科書の図表・グラフ」!
公民の全体像
公民ほど、教科書に準じた内容が出る分野もありません。
大問では、初めに資料とそれについての説明文が掲載されています。その説明文にいくつかの下線が引かれてあり、そこにまつわる問題が出題されるというのが、公民の出題パターンです。
示される資料は初見のものも多いですが、特に問題はありません。焦らないようにしましょう。
問われる語句や記述も、すべて教科書に準じた内容となっています。
憲法、政治、経済、国際、いずれの範囲にしても、教科書に載っている図やグラフは間違いなく抑えておかなければなりません。
というのも、公民分野は地歴分野と同じくグラフも出されるのですが、穴埋めをする形が多いです。
例えば、昨年度の国家予算の円グラフが出され、その1位と3位の項目を書く、という問題。
これなどは、教科書の内容を覚えているかどうかが正解の決め手となります。
ですが、グラフの読み取りと計算が必要な問題もあります。落ち着いて回答できるようにしましょう。
ともかく、教科書に掲載されている図表・グラフは大事。漏れがないように、チェックしましょう!
では、範囲ごとに詳しい勉強法を見ていきましょう。
日本国憲法は最低でも第30条まで読む
憲法・人権範囲では、特に平和主義・基本的人権の尊重が出題される傾向にあります。
平和主義は、日本国憲法第9条の条文はすべて覚えること。条文の穴埋め問題への対策になります。
基本的人権は、身体・思想・経済活動の自由について、その具体例を教科書や資料集で確認しましょう。
また「新しい人権」については、それぞれの根拠となる憲法の条文も確認(幸福追求権など)!
そして忘れてはならないのが憲法。条文の穴埋めや、大日本帝国憲法と日本国憲法の違いについての出題が多いです。
日本国憲法は、前文~30条は必ず読んでおきましょう。
政治範囲は問題慣れしておく
政治範囲は、国政・地方行政・裁判所の役割、の3つのパターンに分類します。
出題が多い傾向にあるのもこの範囲ですので、問題に慣れておくことも必要です。
国政では、選挙制度と国会・内閣の仕事がメインで出題されます。
選挙制度では、「ドント方式を使った当選者人数」を求める問題に対処できるようにしましょう。
計算自体は難しくないので、早く正確に答えを出せるようにするのが一番です。
国会・内閣の仕事は、天皇の国事行為と絡ませた問題が良く見受けられます。
しっかりと分けられるよう、教科書の図表を確認しておいてください。
地方行政は、リコールや解散請求の必要な署名数・提出先を確認しておきましょう。
また、地方債・地方交付税・地方交付税交付金といった、国や市町村の歳入・歳出に関する問題も多いです。教科書のグラフを確認しておきましょう。
裁判所の役割については、裁判所の種類や控訴・上告といった仕組み、さらには裁判員裁判についての問題が多いです。検察官と弁護士の役割なども確認するために、教科書・資料集での確認をしておいてください。
経済範囲は特に基礎固めが必要
経済範囲は、労働者の権利・金融・社会保障についての問題が多く見られます。
労働者の権利については、教科書の太字をまず抑えておくこと。
特に、労働三権、労働基準法といった用語は意味も踏まえて覚えましょう。
金融については、日銀と地方銀行の関わり、企業の種類、株式会社の仕組み、需要・供給曲線、これらについて、図表を用いて確認するのが良いです。
社会保障は、社会保険・社会福祉・公的扶助・公衆衛生の4つの柱の具体的内容を、正確に分類できるかどうかが勝負になります。
くどいようですが、これも図表の確認!
国際関係の範囲は資料集も忘れずに確認
国際関係の範囲で大切なのは、国際連合やAPECといった国際組織を覚えているか、再生可能エネルギーなどの世界各国の問題を理解しているかどうかになります。
国際組織について、国際連合はWHO(世界保健機関)やUnicef(国連児童基金)など、下部組織とその役割も覚えると、様々な問題に対応することができます。
また世界の問題については、まずは教科書の太字を抑え、そのうえで、資料集で掘り下げをするのが必要と思われます。
教科書を忠実に。
公民の勉強では、それを心がけてほしいと思います。
札幌 家庭教師シニア 教務部 S村