今回ご紹介する本は、北海道大学医学部(保健学科)のI家庭教師からのお薦めの一冊です。
シニアの家庭教師として多くの生徒を担当している明るい女性家庭教師です。
札幌藤女子中高出身。
《タイトル》
『羅生門』
芥川龍之介著 新潮文庫
《読んだ時期》
高校1年生 16歳の時
《本の内容》
天災や飢餓で、今日の都が廃れている頃の話です。
羅生門に運ばれた死人の髪の毛を一本ずつ抜いて、カツラにして生計をたてる老婆。
それを目撃した男は、老婆を注意するのか、一緒に髪の毛を抜くのか、それとも・・・・?
《感想》
生きるために悪事をはたらく。
これは、人間の本能を描いている物語です。
悪事と分かっていても、盗人となるか、このまま餓死してしまうのか・・・・。
芥川龍之介は、「人間の理想」ではなく、生きたい という「人間の生命への執着」をこの物語を通して私たちに伝えたかったのではないかと思いました。
《きっかけ》
書店で芥川コーナーがあり、あらすじを読んで、一番面白そうだったので。
《お薦めの人》
文系・理系を問わず、古典文学に興味のある方!
書店の芥川コーナーで、あらすじを読んで、『羅生門』を選ぶのは、なかなかの感性だと思います。
中学生、高校生の時に、文学作品を読んでおくのは素晴らしいことです。
そこから何かを感じ取って欲しいと思います。
札幌家庭教師シニア 教務部