今回ご紹介する本は、北海道大学法学部のK家庭教師からのお薦めのの一冊です。
非常に好感度の高い人柄で、サッカーと勉強を両立させてきました。
生徒に勉強好きになってもらうのが目標です。
『本のタイトル』
「それから」 松目漱石著 新潮文庫
『読んだ時期』
高校3年生 18歳の時
『本の内容』
私がおすすめする本は、夏目漱石の「それから」です。
高等遊民の主人公、長井代助が、友人の平岡と何年ぶりかの再会を機に変化しはじめ、平岡の妻である三千代とともに生きる決意をするまでを描いた小説です。
『感想』
主人公の長井代助は東京大学卒業後、就職もせず、実家の父からの金で、社会と離れた自由気ままな生活を続けていました。
代助は、働く意味を見つけ出すことができなかったのです。
そんな彼が、どのような経験をし、どのような思考をして働く意味を見つけ出すのかが、分かりやすく、読みやすく描かれています。
明治期の松目漱石が、現代の私たちにも分りやすい文章を書いているのも驚きでした。
働くこととは何か、働く意味は何なのか考えさせられました。
『きっかけ」
大学生活がどのようなものか想像しようと、大学生である三四郎が主人公の小説「三四郎」を読んで、同じ前期三部作の「それから」も読んでみたいと思ったから。
『お薦めの人』
第一志望の大学に入学した後のビジョンを描けない人。
働く意味を見つけ出せない人。
本離れが加速している時代の大学生が、高校生の時に漱石を読んでいたとは、正直、頼もしい限りです。
働くとは何か、働く意味は何なのかは、一生のテーマかもしれません。
しかし、この本と出会えたことで、18歳の時に深く掘り下げて考えることができたのは、とても素晴らしいことだと思います。
読んだ後は、多分、今までとは違った世界が見えたはずです。
札幌家庭教師シニア 教務部