(カテゴリ:中学生家庭教師指導現場からのメッセージ )
前回、入試に向けた国語の勉強法について、記述問題の解き方と、要約練習、類義語についてのアドバイスをしました。(下にリンクがあります、興味のある方は是非ご覧ください!)
今回は、同じ国語におけるアドバイス最終回。
古文について、その勉強法をアドバイスさせてください。
主語の変化を見分けることが点数を稼ぐコツ
古文で点数が取れるか否かの分かれ目は、次の点にあるでしょう。
それは、「主語の変化を見分けること」
今回は、この点に絞って解説していきたいと思います。
今の日本語もそうですが、主語がなくても会話が成立する場合があります。
「おばあちゃん、しょうゆ取って」
「これ?」
「うん」
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
どうでしょう。違和感はないはずです。
古文も同じなんですねー。すぐ主語を省略します。
主語が省略されると、「誰が何をしているのかわからない」という現象が起こり、読んでいる側を混乱の渦に巻き込みます。
主語が変わるかもしれない「鬼ばばの法則」
古文中の主語をつかむためには、二つの法則を覚えておく必要があります。
第一に「鬼ばばの法則」。
鬼ばばと聞いてお母さんの顔を思い浮かべた人は、後で謝っておきましょう。
話を戻しますが、この法則は、「を」・「に」・「ば」という「主語が変わる目印となる助詞」を表しています。ネットでも例に上がっていますが、次の文章を例にして説明します。
原文
三月ばかりになるほどに、よき程なる人になりぬれば、髪上げなどさうして、髪上げして、裳着す。
有名な「竹取物語」の一部分です。
この部分での登場人物はかぐや姫とおじいさん。
文の始めの時点では主語はかぐや姫なのですが、途中からおじいさんになっています。
では、下に現代語訳を示しましょう。
現代語訳
この子は三ヶ月くらい経つと、人並みの背丈がある立派な人になったので、おじいさんは髪を結う成人の儀式をして裳(特別な衣服)を着せた。
この時、「ので」の次から主語がおじいさんに切り替わっていますね!
ということは、原文も同じ個所に当たる「ば」の次から、主語が変わっていることになります。
同じ現象が、「を」「に」でも発生する可能性が高いのです。
加えて、「と」や「ども」という助詞も、その次から主語が変わっている場合が多いです。覚えておきましょう。
主語が変わらない目印「て」
第二の法則は、「『て』の法則」です。
この「て」という助詞が使われていた場合、その次も主語が変わらない可能性が非常に高いです。
これも、「竹取物語」の原文と現代語訳を例にとって説明しましょう。
原文
あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。
現代語訳
不思議に思い近寄ると、竹の筒の中が光っている。
どうでしょうか。「あやしが」ったのも、「寄」ったのもおじいさんです。
つまり「て」がついているところは、主語が変わっていないんですね。
ついでに言うと「に」の後ろから、主語が「筒の中」に変化しています。
「鬼ばばの法則」ですね!
今まで、主語のつかみ方について説明してきました。
もちろん、上に書いた法則の例外もあります。
演習を多く行ったうえで、主語をつかむ力を身に着けましょう!
いよいよ9月19日は学力Aテスト。
全力、尽くしてきてください!
シニアの社員・講師一同、頑張る皆さんのことを応援しています!
前の記事→「入試へ② 国語:記述問題について」
札幌 家庭教師シニア 教務部 S村