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成績UPのヒント おすすめの化学の勉強方法

おすすめの化学の勉強方法
化学は伸びやすく安定しやすい教科です

北大医学部 講師M君
北大医学部 講師M君
著者
北海道大学医学部医学科の1年生のM家庭教師(札幌北高出身)。理数系指導に定評があり、現在、シニアの家庭教師として、北嶺中、日大中、附属生の指導を担当しています。丁寧に、わかりやすく指導してくれる家庭教師です。
内容
化学の勉強法、得点源にするための方法論が、丁寧に述べられています。化学が苦手な生徒、伸び悩んでいる生徒には、とても参考になる内容だと思います。

はじめに

初めまして、北海道大学医学部医学科のMです。受験生の時は理系科目が得意でした。特に化学は一番の得点源で、常に安定して得点していました。受験時の化学の成績は、センター試験は96点で、二次試験は65/75で安定して得点源とすることができました。

私の印象として化学の問題は難易度に限度があって、得意にしておくといかなる試験でも一定の得点を保てる教科だと思います。

なぜかというと後で詳しく述べますが、数学や物理といった理系科目と比べると化学には知識問題というものが多く設けられていて、理系科目と文系科目の中間のような教科だからです。

また、化学という教科は多くの人が選択する科目であるように思います。特に理系の受験生は物理・化学か生物・化学で選択する場合がほとんどで、化学の勉強は避けきれないように思います。

以上のことからわかるように化学を得意にしておくとかなり有利です。私が化学の学習を行うにあたってポイントであると思ったことをあげていきたいと思います。

1.化学基礎の内容をおろそかにしない

化学という教科の内容は大きく理論化学、無機化学、有機化学と分けることができます。

理論化学では様々な計算問題、無機化学は主に知識問題、有機化学は主に化合物の推定といったように各分野での問題としての特色は異なっているように思いがちです。しかし、実際はそうではなく無機化学での知識が理論化学の計算をする際に役に立ったり、理論化学での経験が有機化学でやくにたったりします。化学は全体として繋がっていて1つになっているからです。

そして最も根幹にあるのが化学基礎の内容であるように私は思います。化学基礎で習う「周期表の並び」「電気陰性度」「電子式」「構造式」……といったものが後々とても大切になってきます。なので、化学を少し苦手に感じている人は少し立ち止まって化学基礎の内容を復習してみましょう。また、模擬試験の正答率を見てみると意外にも化学基礎の分野の得点率はそこまで高くない印象です。しっかり勉強すれば差をつけるチャンスです。化学基礎とはいえど簡単ではなく重要な内容なのです。

2.計算問題では単位に注目しよう

先に述べたように化学には、理論化学という計算問題が多く出題される分野があります。その際、単位を必ず意識しましょう。単位を見ると自然と計算式が出来上がります。

例えば、密度(kg/cm^3)、分子量(g/mol)など単位をみると、計算式を立てた時に求めたいものがはっきりしていくと思います。苦手に感じやすいmolも単位が(個数/6.02×10^23個)と考えておけば単純な粒の計算であることが意識できます。なので、計算問題の時は単位も書きながら計算していくことをお勧めします。

また、普段の学習から有効数字に気を使って計算をやりきる習慣をつけておきましょう。化学では有効数字や桁が少しずれてしまうと、中間点が与えられることなく不正解になってしまいます。かなりの正確な計算力が求められるので普段からの習慣が大切です。私は慣れてきたら少し負担を減らすために、有名な物質の分子量を覚えたり、気体定数の倍数を覚えたりなどの工夫をしていました。自分に合ったミスの減らし方と負担を減らす方法を考えておくといいかもしれません。

3.理論分野は反応式のつくり方も意識しておく

理論分野は主に計算が中心となりますが、先に述べたように化学はひとつなので理論分野における「中和反応」「酸化還元反応」などは無機化学でも活躍し、化学反応式の暗記量を減らすので有利に働きます。計算は反応式に沿って行われるので、ついでに反応式のつくり方にも意識を向けておきましょう。一石二鳥で、のちに負担を大きく減らすことができます。

4.無機化学は得点源にしやすい

無機化学というおもに物質についての知識が問われる分野があります。ほとんど暗記問題で、水に溶けるか否か、色や重さ、化学反応式などが中心です。 

ここで注目しておきたいのが、これらの知識問題は何回やっても同じ答えになります。私の印象では、理論分野では小数点以下の計算が求められるので計算が得意である人と苦手な人で、ミスの数やスピードに個人差が出がちです。ですが、無機化学はしっかり学べば間違えることはありませんし、本番独特の緊張感でケアレスミスを起こしてしまうといったこともありません。

さらに、ほとんどの大学で全体の1/3は無機化学の問題が出題されるので、かなりお得であると言えます。

かつて私が化学を教わっていた先生は「本気で合格したかったら無機化学での失点は許されません」と言っていました。私もその通りであると思います。化学を苦手に感じている人も確実に得点できる部分ですので前向きに取り組んでみてください。

計算問題が得意な人に限って、こうした暗記の作業を怠りがちなのです。私は色鉛筆を用いて教科書のすべての化学式に色を塗って物質の色を覚えたり、反応式は何回も書いて覚えたりしました。とにかく自分に合った方法で確実に覚えましょう。もっとも伸びやすい分野であるので頑張ってみてください。

5.有機分野では反応をしっかり覚える

有機化学も半分は無機化学と同じ知識問題から成ります。反応の特徴を学ぶところから始まり最後には構造決定という応用問題までと幅が広い分野です。

反応は置換反応と付加反応の二つに分けて整理することをお勧めします。ほとんど規則的に反応が進むことに気づくことができ、暗記を避けることができます。

構造決定の問題を解くには反応をすべて覚えてからにしましょう。一つでもあやふやな反応があると解けなくなってしまい、効率が悪くなってしまいます。反応を確実にすると一気に効率が上がり、得点が伸びていくと思います。

6.参考書・問題集

問題集は「重要問題集(数研出版)」「標準問題精講」がお勧めです。典型問題が網羅されていると思います。間違った問題には印をつけて、最低2週はしましょう。

参考書は学校の教科書が一番であると思います。なぜかというと、化学物質の写真がカラーでしっかりと載っているからです。化学は色が大事なので教科書の写真をしっかり見ておきましょう。また、教科書のみで不安がある場合はカラー写真付きのものがいいと思います。実際に書店で見てみてから買うようにしましょう。

7.最後に

以上、簡単ですが、私が化学の学習をするにあたって意識したことを書かせていただきました。化学はすべてが繋がっていていることを少し意識してみてください。化学基礎のはじめから化学の高分子の最後まで、共通の考え方、知識を用いることは稀ではありません。

そして一番大切にしてほしいことは知識問題を確実に得点することです。化学がどうしても手につかない人は、無機化学だけでもしっかり学んでみてください。化学は伸びやすく安定しやすい教科なので、前向きに取り組んで欲しいと思います。

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